141T 初夢？できたらスゴイを考える

photo by paco at Matsumoto Castel..Dolls by dokkaikokka.

pacoさんの前回のコミトンが年初にしてはなかなか重たい話だったので、今回の僕のものは少し能天気なもの(^_^)にしてみたいと思います。名づけて「初夢コミトン」という感じでしょうか。今年の計画はコミトン139で書いたように昨年のうちに考えてしまったので、もっと先の話だったり、そもそも実現の見込みは見えていないけれども「こうなったらいいよなあ」「これができたらいいよなあ」と思うものをあげてみようかと。そういうものをいったん表に出しておくと、そのうち実現のきっかけがつかめたり、関連するアイディアが見えたりすると思うのです。

■みんなで学ぶ場をみんなでつくる

まず今、一番「妄想？」が広がっているのは、２月にやってくるであろう子供の関連です。girl friendは年末、２、３才にならないと着られないような和風の子供服を「かわいい！」と衝動買いして彼女の母親に笑われていましたが、似たようなものです(^_^)。僕の興味は一つに教育にあるのですが、学校だけではなく、コミュニティの中での教育ができるといいなあと思っています。

たとえば去年、長崎を訪れた際に呉服屋の若旦那が話してくれた、おくんち（祭り）の準備の中での教育のような。町の誇りとなるようなものをじいちゃんばあちゃん、おっちゃんおばちゃん、おにいさんおねえさんたちとつくる中で学ぶ。僕が今やっているところだと、英語教室やその異文化交流の活動を親子がいっしょになってできるかもしれない。もちろん学校や幼稚園といっしょにやってもよくて、知恵市場com2に時々登場するKuriさんには、親たちがこどもといろんな活動をやっていく幼稚園を見せてもらったことがあります。

要するに、学校だけが、親だけがそれぞれ単独で教育をするのではなくしたい。また、教える側と教えられる側の立場を固定的にしないでやってみたい。いろいろな人が教える側と教えられる側の両方になり、その中でおもしろい仲間もつくっていく。時にいっしょになって何かをつくりあげたりもするというのをやってみたいのかな。

■住んでいて楽しい地域づくりに関わる

それから、住んでいて楽しい地域づくりに関われたらいいよなあと思います。それも人を説得して回るとかそういうのは得意じゃないんで、「やりたいなあ」とか「やろうよ」と言っていたら小さいものが実現して、そこからごく自然に大きくなっていったというのだとすごくいい。

たとえば仮に「農ある街」がテーマだとします。まずはうちの庭と近所の畑で野菜作りのイメージをつかんだあと、どこかの休耕地の持ち主とともだちになって場所を確保する。そして近場のともだちで興味のある人をつのって作物をいっしょにつくってみる。せっかくだからただマニュアルに従って育てるのではなく「より自然」かつ楽なやり方をいっしょになっていろいろ調べたり考えたりしてみる。この共同作業を楽しくできれば、単なる市民農園以上に楽しめる気がします。しばらくやっていると新たな仲間が参加したいと言って来て、少しずつエリアを増やしていくことになればすごくいいですね。

そんなことをしているうちに、米も作ってみたくなりそうです。こちらは素人とわいわいやってみてもいいと思っている農家の人を見つけてはどうでしょう。一人や二人でやると大変な草取りを人海戦術でやって、カエルやヤゴやイトミミズのいる田んぼができたら、こどもはそこを遊び場にするかも。そしてきっと、作業に加わるわけじゃないけど毎日通りがかって見ていたり、ちょっと話しかけてきたりする人もいるはず。あえて住宅地のど真ん中の空き地に田んぼを作ってしまったりしたら（そんなことができるのかどうか知りません(^_^;）特にそうなるんじゃないかな。すると地域の人の「食える自然」に対する関心はけっこう高まってくるかもしれません。そしたら秋祭りとかやって、みんなにおむすびをふるまってみたりして。

そして、こうやってちょっと農業「ごっこ」をやったとしても、ここで自分たちの食べるものを全部自給自足したいとは思わないような気もします。つくるのは作物を育てるという実感をつかむためで、その実感を持ちながら地元でつくられた野菜を買ってみる。つくっている人たちと話なんかもしながら。そんなのが少しずつ広がって、緑被率約40%が維持され、農ある街を実感できるになるといいなあと思います。

と、農業の「の」の字も知らないのに適当なことを書いてみました。僕が野菜作りなんてイメージが合わないとみんなに言われますし、やろうとしたとしてもそんなことできるのかよ、という感じだと思います。さらに、今のところ僕らは、４、５年したら横浜を離れて、日本の中でももうちょっと自然に近いところ、あるいは海外の全然環境の違うところに行きそうだと思っています。でも、ここは初夢(^_^)。支離滅裂、非現実的なのは気にしないことにします。実際、こんなことが実現する気配が出てきたりしたら、横浜に根を下ろしそうだし(^_^)。

■世界のあちこちと行ったり来たり

地域で活動したいと思う一方で「世界をまたにかけて」動きたいとも思います。と言っても特に「プロジェクト」をやっているとかでなくてよくて、世界のあちこちにともだちがいれば楽しいだろうなあと。どこかに旅行に行きたいなと思った時、ともだちがいればそこに訪ねていく。ともだちのともだちはともだちということで、英語のシャワーの卒業生・受講生たちのネットワークもお互いに頼りたいところ(^_^)（実は昨年、マレーシアでそういうことが既にありました。ただしクラス以前からその人が知っていた人ですが）。ともだちがいると、普通の観光客にはたどりつけない現地の生活の場を訪れることが楽しめます。

もちろん遊びに行くだけではありません。ふだんから雑談をしていれば、違った世界についての理解が深まったり、日本にいるだけでは気がつかない知恵を得ることができるかもしれない。この間のイランでの地震のように何か問題が起きればネットワークを通じてサポートできることもあるでしょう。不幸にして戦争が起きた時も、はるかかなたの知らない世界の話ではなくなります。

人の行き来に話を戻せば、国内外を問わず、向こうからも人がうちに押しかけてくれると楽しそうだと思っています。うちはなんの変哲もない郊外の家ですが、横浜はもちろん近いし、東京からもそう遠くなく、新横浜はすぐ近く。東京を見た後、西の方へ新幹線で行こうという人には悪くない場所です。もし上で書いたような「住んで楽しい地域」が本当に出来てくればそれを見るというのも悪くないかも。学生が海外からちょっとホームステイというのもあるかもしれません。そういえば自分のところのこどもは、ある程度大きくなったらアジアやアフリカにしばらく預けてしまってもいいかもしれません。ちょっと怖くもありますが、その方が受験勉強をしているよりは豊かな（というより強烈な）学びがあるでしょう。

現在と未来が混じった妙な世界を書いていますが、実はそんなことをどこかで意識しているからか、家を探す時にも、誰かが来たら泊まれる部屋や、そこそこ人が来てもくつろげるリビングというのを条件に入れていました。また今の家に移ってから実際、お客さんに来てもらうことは多くなりました。そんな中からまた次のやりたいこと、やれることがちらほら見えている感じもします。ちょうど迷路を出口と入り口の両方から解こうとするように夢と現実の間を行き来していると、そのうち道がつながるかもしれませんよ(^_^)。

■自信があるわけではない

さて、ここでちょっと夢の話からいったん離れます。こんなことを書いていると、僕が一抹の不安もなく、余裕しゃくしゃくで自分の新しいライフ・スタイルを開拓しているように見えるかもしれません。確かにのんきな面もありますが、不安がないわけではありません。なんでこんなことを書くかと言うと、pacoさんの本やコミトンを読んで「豊かな」ライフ・スタイル作りを考えている人に「pacoさんやToshiさんはプランに確信を持ってやっている。自分もそうでないといけないのだ」と思って欲しくないからです。少なくとも僕はそうではない。

たとえば今、僕は仕事をする上で、マネジメントというテコの原理が働く仕事よりも、自分自身で直接タッチしていく仕事のやり方をしています。しかも数年前よりも仕事の量をずっと量を絞っています。直接結果を見たり、納得いくまで取り組んだり、他のことも出来るようにしたいからそうしているわけですが、すると売上も減るし、人目につく機会も減ります。それでいいと思っているかというと、そうではありません。売上はともかく、大きな仕事をしたい、そういう仕事をやっているやつだと評価もされたい、というのは自分の中に強くあります。

じゃあ、どうするのかというと、今のような仕事の仕方でもすばらしくいい仕事をすれば、それが種となって大きな結果を生む、ということに賭けています（賭けているというとちょっと肩に力が入っていますけど(^_^)）。それだけの仕事を出来るかどうかはまだわからないし、出来ても大きな結果につながるかどうかもわからない。繰り返しになりますが「そうすればきっとうまく行く」と思っているからその道を選んでいるのではなく、「やりたいから、そしてうまく行く可能性があるから」とその道を選んでいるわけです。もちろんみんながそうでなければならないと言っているわけではありませんが。

■将来何になりたい？－大金持ち！じゃなくて...

自分の話ばかり書いてきたので、ちょっと社会のことも初夢にいれてみます。人のやる気の源を、お金以外のところにもっとシフトできたらいいなあ、と思っています。たとえば「自分が世の中に何か意味のあることをやったという満足感」。そこまで行かなくとも「ちょっとでも誰かの役に立てた」という感覚とか、「自分で満足のできるものをつくった」とか。もちろんそれによって他の人から喜ばれる、評価される、というところでもいい。特に能力の高い人にそういう傾向が出てくると、世の中いろいろといい方向に向かうんじゃないかという気がしています。

たとえばビジネスで成功した人たちは45才くらいになったら、金儲けにはならないが世の中にとって重要で、優秀な人材を必要としている分野に転じるとします。彼らのやりがいは、これまで「必要だが難しい」と言われてきた難題を解決すること。そうやって日本の学校教育がとてつもなくおもしろくなったり、医療現場が患者にも医者にもすばらしく人間的なものになったり、あちこちの田舎が活性化してきたり、自然が日本や世界のあちこちでよみがえってきたりする。もちろん彼らはストイックにやっているのではなく、いろいろなことを楽しむ余裕も持ちながらやっている。彼らが楽しそうなんで、まわりの人もあこがれるようになる。子供たちも「将来何になりたい？」と聞かれてそんな人たちをあげたりして。

このくらいになるとかなり夢っぽいですが(^_^)、実は全くの荒唐無稽な夢でもないかもしれないなと思っています。というのも年賀メールをやりとりしている中で、ビジネス界でかなり優秀だと思われる連中が少しずつ、最近ビジネスへの関心は少し薄れてきたとか、上に上げたようなことに関わり始めたとか書いています。僕の周りの狭い世界だけかもしれませんが、それでもそんな動きがあることはいいなあと思っています。

■自分の思うように動く体を持ち続ける

大きな話に行ったので、最後はぐっと卑近な話にします。今年厄年なせいか(^_^;、最近、以前にまして体のことが気になってきています。幸いにして人間ドックでの数値はずっと正常なのですが、pacoさんが以前に書いていた肩こりや頭痛は古くからのおともだち。かつがんこなアレルギー性鼻炎もあって、夜寝ていると鼻で息を出来なくなり、のどがからからになって目が覚めることがよくあります。また、合気道で痛めた後遺症か四十肩か、肩に痛みを感じることが出てきました。

もともと体質もあまりよくないし体も強いわけではないので７０歳でエベレストに登ってしまう三浦雄一郎氏のような肉体年齢は望むべくもないのですが、それでも生きている間はそれなりに気持ちよくありたいし、自分の思うように動く体をなるべく持ち続けたいよなあと欲張っています。しかもあまりストイックなことをせず、楽しく実現できないかと。今は毎日のストレッチと、二日に一度程度走ったり泳いだり（どちらをやるかは気分によりけり）をしているのですが、これだけだとあまり楽しくはないのです。

実は合気道を一昨年始めたとき、ちょっと期待していました。合気道は「気」という説明の難しいものを重視します（説明できる自信がないので雰囲気で感じ取ってください(^_^;）。この「気」の流れがよくなると、呼吸器や内臓、体のバランスや動きにもよさそうだなと思っていたのです。人を攻撃したり勝敗をつけるのが目的ではないとか、相手の動きに振り回されず、逆らいもしない、でも自分は崩れないという精神も気に入っていました。ただ問題は、自分の運動神経があまりに悪いこと(^_^;。指導の仕方との相性もあってか、全然進歩せず、楽しくないので結局やめてしまいました。しかし、そのうちチャンスがあったら、バランスのよい体を楽しく作っていくことができるといいなあと思っています。目標は控え目で(^_^)、７０歳でかっこよく歩けることです。その頃は１５歳くらい若く見えているようだといいですね(^_^)。

さてさて、かなり荒唐無稽な話やあやしい話も含めて「初夢」を書いてきました。このうちのどれだけが現実に近づくでしょうか。はたまた全然違う方向に走るのでしょうか。いずれにせよ楽しい気分になってきました(^_^)。あなたの初夢はどんな感じでしょうか？

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Toshi/高橋俊之（たかはしとしゆき）。知恵市場代表。株式会社グロービス執行役員、グロービス・マネジメント・スクール(GMS)統括責任者を経て、2001年7月からフリーランスとして活動。知恵市場の他、使える英語を楽しく習得する「英語のシャワー」を主宰。GMSクリティカルシンキング講師もつとめる。著書・監修書に「テクノロジー・パワード・リーダーシップ」（ダイヤモンド社）、「ビジネスリーダーへのキャリアを考える技術・つくる技術」（東洋経済新報社）。

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