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今回のテーマは「環境」についてです。去年8月に、「環境経営の教科書」を出して、好意的な評価をたくさんいただきました。 この本をきっかけにして、思わぬ方から連絡をいただき、環境とビジネスについて意見交換することが来たり、具体的なビジネスの可能性が見えてきたりといったことが始まっています。 今の段階で、環境がビジネスに直結するテーマになっていることはまだ少ないので、僕も可能性のありそうなところにはどんどん出かけていき、意見交換し、アイディアを出し、その中から具体的なビジネスが動くことをめざしています。読者の中で「環境ビジネスに興味があるので意見交換したい」という方は、遠慮なくメールをください。可能な限り出かけていくつもりです。 さて、今回は、こういったブレストのなかで出てきた、「できたらいいね」のフラッシュアイディアを並べて、「初夢」代わりにしてみようと思います。 ■ゼロCO2マンション 最初のプランは、ゼロCO2マンションです。木質ペレットを燃料とするマイクロ発電コジェネシステムをマンションの地下などにおき、マンションの電力と給湯を行うことで、マンションの住民はCO2フリーのエネルギーを利用できるというものです。 このプランの事業主体は、特定地域に分譲マンションを展開するマンションデベロッパーです。具体的には、たとえば飯能~所沢~青梅あたりに強いところがよいと思います。飯能市の西に「西川地域木質資源活用センター もくねん工房」があり、ここで生産されるペレットを使うことを考えると、輸送距離を短めにすることを考えて想定した地域です。 マンションの地下などの敷地内に、ペレットを燃料とする蒸気タービン発電機と、廃熱による給湯設備を作って、もくねん工房で生産される木質ペレットをマンションまで運び、燃やします。マンション内ではペレットの燃焼でCO2が出ますが、もともと大気中のCO2を吸収して育った木から出たものであり、再び森林が育てば、吸収されると考えられます。実際、埼玉県西部の奥武蔵の山岳地帯は、古くからの林業地帯であり、戦後に植林されたすぎの美林が広がっていました。今は手入れがされずに放置されていますが、適切な間伐と管理を行えば、再びよみがえるでしょう。そうすれば森林の成長力が復活し、排出したCO2も吸収されると考えられますから、埼玉県西部~東京北西部の地域内でCO2の循環をつくることができます。 マンション1棟で行うメリットはいくつかあります。まず数10軒の世帯がコジェネ設備を共有することになるので、設備費を分散することができます。この設備によってマンションの分譲価格がある程度上がるでしょうが、発電や給湯を自前でできることで燃料費が下がり、また各住戸用の給湯器がいらなくなるのでコストが相殺され、住民は一定期間で回収が可能なはずです(詳細な事業化の検討は必要です)。 またマンション建築時点で断熱性能を上げておくことで、温水による暖房効果を高めることができます。実際、住宅が使うエネルギーの多くは住宅の冷暖房用で、冷暖房の熱は断熱性の悪い窓や壁から外に逃げているものなのです。新築時点から断熱性を高めれば、少ない燃料で十分な暖房効果をあげることができます。 新築時点で地下のコジェネ設備と各住戸を結ぶ温水配管をつくってしまえるので、通常の住宅地で廃熱利用をのパイプラインをつくるよりははるかに低コストです。温水を使ったパネルヒーターや床暖房は、今主流のエアコンによる温風暖房よりも静かで暖かく、快適なので、住宅としての付加価値も高まります。実際、温風暖房と比べると、パネルや床暖房などの輻射熱による暖房の暖かさは、経験してみないとわかりません。しかも全館暖房が可能なので、トイレから廊下まで、すべて同じ温度で暖かく暮らせます。ちなみに冷房は、通常のエアコンを使う方が効率がよいようです。エアコンは冷房と除湿専用で使うことになります。 発電によって生まれる電力で、マンション全体の電気需要をまかない、廃熱で温熱需要をまかなうので、両者のバランスをうまくとれば、総合熱効率で60~70%程度にはできるのではないでしょうか。 マンションデベロッパーとしては、断熱とコジェネ設備の分が価格アップ要因、給湯器がないことによる価格ダウン要因、燃料費が安くなることによるコスト回収要因の終始をよく検討し、極力コストアップなしにできることが理想ですが、コストアップがあったとしても、補うことは可能です。 まず「ゼロCO2という環境性能」を広告することができます。環境に敏感な層が増えているので、コストアップも受け入れてくれる可能性があります。また購入コストのアップであるなら、あとで説明する「環境ファイナンス」をつけて、「環境性能で高くなっている分は、特別ローンが利用できます」と言うようにすれば、ユーザーはローンで払いながら、燃料費が少なくなった分で支払うということが可能になるでしょう。断熱や暖房の快適さという住まいの基本性能をアピールできることも含めると、魅力的なマンションをプランニングできる可能性があると思いますが、どうでしょうか。 当然ですが、1棟だけつくっても効率が悪いので、設備使用を標準化して、地域に集中展開することで、利益率を高めることができるはずです。こんなマンションを開発してみたいところ、ありませんか? 買い手の立場なら、魅力的だと思いますか? ■ゼロエミッションマンション 同じくマンションの付加価値としてのプラン。ゴミの回収を独自に行って、ゼロエミッションを保証するマンションです。 まず生ゴミは専用回収ボックスに投入するようにして、ここから定期的に業者が運び出し、提携工場でたい肥化し、そこでできた有機たい肥で作られた野菜を収穫する会を開きます。あるいは、微生物発酵させてメタンガスを取り出し、これを地下のコジェネ設備で燃やして、熱と電力を得るという方法もあり得ます。 今はコンビニ店等での回収に頼っているペットボトルや、自治体の回収になるビンや缶、紙などもいつでも捨てられる専用ボックスを敷地内につくり、提携業者が回収して再資源化します。工場のゼロエミッションが実現するのと同じ要領で、マンション1棟丸ごとのゼロエミッションパッケージが可能です。 ここのパッケージができれば、やはり地域を絞り込んで、その域内の既存のマンション・新築マンションに提供できます。1棟では効率が悪くても、パッケージ科することで、面展開が可能になるでしょう。デベロッパーの子会社として管理を行う企業は多いのですが、ノウハウのパッケージにすることで、多くのマンションがマーケットになるので、大きな売り上げが期待できそうです。10年後にはマンションの管理会社の主要なサービスとしてあたりまえのようになっているかもしれません。 ■環境ファイナンス 続いて、環境ファイナンス。 金融業界は環境への取り組みにあまり熱心ではありませんが、金融ビジネスそのものは基本的にオフィスワークで、資源をあまり使わない業種だという点が大きいのかもしれません。 そこで頭を切り換えて、金融業界が自分たちの会社の環境対策をするのではなく、金融を行う先の企業や個人の環境対応に対して金融サービスを提供するというように、ミッションを変えてみるのです。こう考えると、金融サービスができることは非常に大きいことがわかってきます。 たとえば前述のゼロCO2マンションやゼロエミッションマンションの場合、初期投資が必要な場合が多いのですが、これらの初期投資は電気代やガス代が安くなった分の差額でいずれ回収することが可能です。投資と回収の計算さえ間違えなければ、適切な金利を取って、資金提供することができるはずです。現状では「環境」が資金供与の対象になるとは考えていないと思いますが、実際には環境対応の機器などは費用対効果が意外に高いので、ローンを組むことも不可能ではないでしょう。 ほかにも、企業が省エネ投資を行う際に融資や投資を行うということも対象になるでしょう。信頼の置ける環境コンサルタントと提携し、そのコンサルタントが提案した省エネ設備については、5年で回収可能、などのお墨付きをコンサルティング会社が出し、それを担保に融資を行えばよいわけです。もちろん、環境投資が適切でも、融資先企業が本業の業績不振で倒産してしまう可能性もありますから、このあたりは本来の与信機能を発揮できるところです。 ■家庭向け省エネITシステム このプランは、もう少し次世代の話になりますが、ぜひとも実現したいものです。 今IPv6をめぐる開発が盛んに進められていますが、IPとはInternet Protocol、v6はver.6で、インターネットで使われる通信手順を拡張し、今までよりもはるかに多くの機器をインターネットにつなげるようにするものです。IPv6を使えば、あらゆる電気製品に固有のIPアドレス(インターネット上の住所)を割り振ることができるようになります。すべての家庭のエアコン、冷蔵庫、暖房機、照明器具、もちろんパソコンや電話、ファクス、電気錠などにIPアドレスをつけることができるわけです。 この機能を使って、きめ細かな省エネを実現できるようになります。たとえば外出時に伝記やエアコンを消し忘れても、携帯電話でチェックし、消すことができます。携帯電話のGPS機能を組み合わせれば、自分の家から500メートル離れた時点で自動的にOFF、500メートル圏内に入ればエアコンが付いて適温にしておくといったことができます。 家の中でも、赤外線センサーやマイクロチップなどと組み合わせて、人の居場所を検知し、人のいない部屋の照明を消す、冷暖房を消す、つけるということも可能です。電気製品の数は増える一方ですが、使っていないときにはエネルギーを使わないように最適化することで、最小限のエネルギーで利便性を得ることができるのです。現在はこういった「つける/消す」は個人の「善意」に頼っていて、ムダにしたくないと思う人は消すし、面倒だと思う人はつけっぱなしになりがちです。社会システムとして無駄をなくすという仕組みを作れば、面倒だと思う人が多くても、無駄をなくせます。IPv6を「便利さ」を目的に開発するか、「環境目的」で開発するかで、社会の向きは大きく変わってくるはずです。 ■廃棄物処理業チェーン展開 産業廃棄物の規制は、ここ数年で非常に厳しくなっています。政府の方針の下に、リサイクル関連法案がつぎつぎに作られ、循環型社会をつくるための仕組み作りの第一歩が整いました。 たとえば企業が出す産廃には、マニフェストという書類を添付し、中間処理業者を経由して、再生利用されたのか、最終処分にされたのかなどを書面に残し、処理が終わった段階で排出した企業の戻すというルールができました。こうした規制の受け皿となるのは、廃棄物処理業者で、その信頼性の確保が急務です。しかし、これまで廃棄物処理はどうしても産業の「汚れ役」という位置付けになりがちだったこともあり、人・物・金・知恵・情報など、資源が不足しています。また廃棄物の移動について、自治体の境界を越えて移動することに規制が厳しいため、廃棄物処理業者は自治体内の小さな市場を相手にする小規模事業者が中心です。つまり、法的な面でも環境的な面でも、破棄物処理業はこれから大きな役割を持つにもかかわらず、産業としての近代化(未来か?)が遅れているのです。 この状況を解決するために考えられる方法として、廃棄物処理についてのコンビニフランチャイズチェーンを全国展開する、というビジネスがあり得ます。廃棄物処理についての標準化された方法を開発し、全国どこでも、チェーン企業に頼みさえすれば、同じ信頼性を持って処理が行える機能を実現するわけです。 現在は、前述の通り、地域ごとの中小企業が主役を担っているために、各地に事業所を持つ企業は、事業所ごとに独自に廃棄物処理の方法を調査し、地域ごとに最適な処理業者を選び、依頼する必要があります。しかし中小事業者が多いことで、信頼度の高い事業者を選ぶことが難しかったり、最適解を決めるのが難しかったりといったことが、担当者を困らせているのです。 そこで、標準化された方法を要したフランチャイズチェーンをつくり、各地の中小事業者を組織することができれば、全国展開の企業派どの地域の事業所であっても、そのチェーンを指名すれば、最適な処理をしてくれるという信頼感を持つことができます。これによってユーザー(企業)は担当者の負担を減らすことに成功し、信頼感のあるはキブツ処理ができるし、社会的にもトラブルを減らして、確実な再資源化が可能になります。 実は、廃棄物処理業とは、資源創造産業なのです。従来の資源産業は、エネルギーにしても金属などにしても、地下資源を持つ海外の国から日本に資源を調達することが主な仕事でした。廃棄物処理産業が本格的に動き出せば、国内にすでに持ち込んだ資源を循環させることができるようになり、多くの資源を海外から持ち込まなくても国内で多くの資源を調達できるようになるでしょう。そうなれば、廃棄物処理業は「資源創造事業」に変貌を遂げ、今は下流の産業が、将来は最上流の産業に位置づけられるはずです。この「下流から上流へ」のパラダイムチェンジを起こすためには、業界を再編し、技術を標準化して、業務そのものを洗練させる必要があります。逆に、これを実現できる企業は多くの利益を得ることができるでしょう。 ちなみに資源循環のための技術はすでにかなりのものがでそろっているし、法的な準備もととってきています。まだ不合理な規制も残っていますが、環境省を中心に積極的な姿勢がありますから、ムダな規制を廃止し、新しい視点に立った法制度に変えることは可能でしょう。 大きな資本と明確なコンセプトによって、ぜひとも実現したいビジネスだと思います。 ■環境事業戦略コンサルティング 最後に紹介したいのが、コンサルティングです。現在も環境コンサルティングを専門にする企業はいくつもあるのですが、まだ専門性の高い特殊なコンサルティングというイメージが強く、一般企業が利用するものにはなっていません。 しかしこれからは戦略系コンサルティング会社はどこでも、全業種のクライアントに向けて環境事業の立案サービスを提供する時代になるでしょう。今、多くの産業では次世代の主力事業を模索しています。すこし前まではITがその役割を担っていたのですが、今はブームが去った、というより、すでに現実のビジネスに組み込まれてしまったというほうがよいかもしれません。 「次の事業」を模索するクライアントに対して、「環境を切り口にした新規事業」を提案できれば、戦略系コンサルティングファームにとっては、新たな稼ぎ場所が増えたことを意味します。まだ環境ビジネスは本格的には立ち上がっていないのですが、この段階こそ、戦略系コンサルティング会社の出番であり、先行して事業性を研究し、各産業をリードしていくタイミングに入ったと見ています。 ○ ○ ○ ということで、今回は可能性のありそうな環境ビジネスについて、思いつくままに書いてみました。具体的にいっしょに検討したいという方がいれば、ぜひメールください。
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