221P 知恵市場の今後、その2

photo by paco .

東京に戻ってきたと思ったら、残暑厳しい今日この頃です。夏が好きな僕も涼しい季節が恋しくなったりもしますが、いずれにせよ、秋はすぐそこです。僕の仕事場は東京も八ヶ岳も南向きの窓に面しているのですが（仕事場にいるときはPCに向き合う時間がほとんどなので、外が見えることはとても重要）、午前中、仕事を始めるときの日差しの角度がすっかり緩くなったし、カーテンを閉めるのもずっと早くなりました。六兼屋では、昼は夏のセミ、夜は秋の虫の音という感じで、季節がオーバーラップしてますが、秋が勝利を収めるまで、あと1週間ぐらいでしょうね。

さて、前回のコミトン220に対しては8人の方からフィードバックをもらいました。さい先がよい感じ。ありがとうございます、他の方もぜひFBお願いします。

■知恵市場の運営費について

前回のイシュー（1）にあたる宿題、「知恵市場の運営費のまかない方」について、いただいた意見はこんな感じです。たくさん書いてくれた方もいるのですが、ポイントだけに絞って掲載します。

基本的にはそのブログ内で有効アカウントを発行し、決まったユーザー（有料会員）には自由にブログを利用。その他、閲覧のみはゲストユーザーの形で閲覧のみが分かり易いと思っています。（kyounaho）

有料会員だけ参加できるコミュニティをパコさんがファシリテーターになって創ってほしい。パコさんの講演が1時間と1時間コミュニケーションタイムそんな時間を年2回すごせたらいい。6000円ぐらいなんでもない。（イッシン）

無料で提供できるコンテンツと有料で提供するコンテンツの差別化。無料コンテンツにアクセスしてきた読者にはできるだけ有料コンテンツに誘導できる様に仕掛ける。但し、知恵市場を厳選されたブログの集合体にしようとすれば、有料コンテンツという側面は失われていかざるを得ないと思います。ブログ化を進めようとすれば、ブログでお金を取るという発想は馴染まないと思います。（山本）

例えば、今回はQOLに関連したブログのポータルサイトがイメージされてますがポータル（およびその配下）にブログをUPできるのは有料会員だけにするということです。（掲載されたものに対するコメント、自分のブログへのトラバなどの情報発信は有料・無料会員による区別なし）。私の考えのバックグランドをまとめますと以下になります。
① インターネットの基本は発信者負担である（これを受信者負担と勘違いしている場合が多い）
② 書き込みに制限を加えると、知恵市場の狙いが実現されない危険性がある。
（ねもけん）

知恵市場の媒体に即した収入源として現実的には会費にでしょう。
・年会費として、5,000円/人を納入してもらう。サーバー運営費用が十万円としたら、20人×5,000円にてまかなえます（個人的には10,000円/人でも良いかと思います）。
・有料会員としての会員特権ですが、①2～3ヶ月に1回程度の会員懇談会を開催。パコさんや会員と直に話ができる場を提供する。②パコさん:ワークショップ（*）や書籍作成時のモニター応募優先権。
*パコさんの別荘でのワークショップ、懇談会をワークショップ形式にしても良いです。といったコンテンツを付与することでいかがでしょうか。（Dr.Ken）

pacoさん監修で本作るのよ。で、それに参加する人から、「お金をもらう」。普通、本を書くと「お金がもらえる」って思うでしょ？　でも、そうじゃなく、お金もらえなくてもいいから、とにかく、なんか、表現してみたい!一生に一度でいいから、本出してみたい!、でも、やりかたわからない、、、って思っている人がいるはず。とにかく。それを、pacoさんが、バックアップするの。監修とつくにあたって、文章や表現方法も、pacoさんがすこしアドバイスしたり、サポートしたりする。で、募集の過程や、選考の模様、作っていくプロセスを、知恵市場で見せる。そして、作っていくための必要な情報なども、皆の知恵や人脈を利用させていただいて、作るというわけ。(kayopyon)

運営費捻出のための方法としては3通りあると考えます。
1.コンテンツ収入型（A.お布施型　B.階層型コンテンツ）
2.広告収入型
3.事業収入型
参考になる事例としては、プロコーチとコーチングを受けたい人をマッチングするサイト「ベストコーチ」があります。結構うまく回っているみたいですよhttp://www.bestcoach.jp/（まつお）

という感じです。いろいろな意見、ありがとうございます、改めて考えを整理するきっかけになりました。

この中で興味深いと思ったのは、リアル/バーチャルの別はあるとしても、僕との「リアルタイムでのコミュニケーション/ミーティング」に魅力を感じてくれている方がいるという点で、これは課金の理由するのはいいなと感じました。

無料とは別に、有料専用のコンテンツを時間をかけてつくるのは現実的ではないし（無料ページに掲載したくなる）、かといって物販など別の事業をやるとなると、知恵市場本体の運営資金を出すために、別の事業をやらなければならいという矛盾が生まれます。本を作るというのもおもしろいのですが、実際やるとなると、かなり手間がかかり、自分で書いた方が楽、ということにもなりかねません。ブログなど、ネット上のコンテンツをそのまま単行本化するという方法は、確かに例が出てきていますが、現実には編集者の反応はあまりよくありません。僕は、どこで書いても同じスタンスで、同じ文体で書いているのですが、ネットで公開すると、なぜか「ネット用のコンテンツ」と感じて、「本向けじゃない」と思われるようです。不思議です。

で、僕が考えていたのは、まつおさんの分析にある「コンテンツ型」の「お布施型」です。

有料会員に限定したコンテンツはこれまでのものより、質量とも縮小しつつも、継続する（無料版にも力を入れるため）。
有料コンテンツは、前回から始めた「今週のイシュー」を投げかけ、翌週、その回答と僕からのコメントで構成する形式にする。「今週のイシュー」は無料ページでも投げかけ、コメントがつけられるようにするものの、僕からのコメントがあるかどうかは不明、かつあっても内容が短め。有料会員向けは、より深く考えられるようなコメントをつけます。

実質的に無料と有料のコンテンツに差がないものの、知恵市場全体の価値を認めてくれる方に、「お布施/寄付」に近い形で、有料コンテンツを買ってもらう（有料のみ単体で見たときには、料金に見合わないかもしれないにしても、全体の価値に対して払ってもらう）。という形です。ねもけんさんはじめ、コンテンツの受信者がお金を負担するのは馴染まない、勘違い、ということもわかるのですが、しかし、リアルの社会では、手間をかけずに情報を受け取るだけのひとは、「買う」のが普通です（本にしても、新聞にしても）。今のインターネットはこれが実現していないのは事実だし、コンテンツを買う習慣が根付くかというと、心許ないのですが、かといって、「受信者は無料、発信者が金を出す」というのはやはり僕の感覚と馴染まない。で、情に棹さして、受信者の方からいただくという形は、引き続き継続したいと思っています。ご理解の上、ぜひ「お布施、寄付」に近い気持ちで、有料コンテンツの購入を継続していただきますよう、お願いします。

しかし、いただいた意見を読みながら、これに加えて、リアルの会を会員特権として実施するのはいいなと考え直しました。つまり、上記ふたつに加えて、

知恵市場有料会員限定のミーティングを隔月1回程度で実施（こちらは会費のみで無料）。
MSNメッセンジャーなどの音声チャット、ビデオチャットを使ったコーチング（こちらは割安の料金をいただく形かな）。

というのをやろうと思います。六兼屋のほうは、いままでのところ、来たい人には自由に来てもらっているので、会員ミーティングは東京で行うことにしたいと思います（たぶん、田町）。

だいたいこんなことを考えています。

■先週のイシュー（夏休み）

さて、続いて、先週のイシュー(2)「夏休みの過ごし方」。
あなたにも読んでもらいたい話がたくさん寄せられているので、来週にもまたがりたいと思います。まず、今週はまず、3人の方。

実質的な夏休みはなし。実家に帰省して数日家族と過ごしたのみ。現在、とある衆議院前職議員の選挙活動にボランティアとして参加中。8月中旬から継続中であと数日。国政運営の理想と現実、選挙活動の現実を目にし、同時に自己否定の精神、無私の姿勢とは何かを学んでいます。（山本）

夏は、北海道へ９日間行ってきました。7つ百名山に登りましたが、自分を責める気持ち
が強くなり、苦しい時間もありました。（イッシン）

当方、41歳の世間でいうところの「負け犬」です。今年の夏は同じ立場の女4人で沖縄旅行でした。特別に豪華な事をした訳ではないけれど、1年のうちで最も移動にお金のかかる時期。2泊3日でオフシーズンの海外4泊くらいの値段がかかりました。沖縄は景気も給料もよくないそうですが、全島をあげて「リゾートアイランド」の演出に力を入れている印象を受けました。その徹底ぶりはディズニーに通じるかも。勿論、他では見られない気候、風俗、自然があるゆえの癒しなのも分かりますが、「人を魅了したい」と県民の方が思っておられるようですね。今回は食事のみしか利用しませんでしたが、「ザ・ブセナテラス」の従業員は素晴らしいの一言に尽きます。世界最高級リゾートの一つに数えてもいいくらいです。（kyounaho）

選挙のボランティアというのはなんとも季節感があります。僕は以前から応援している小選挙区の手塚よしお（民主党）が、この前も目黒駅で街頭演説をしていて、ライブでしゃべっている彼の姿にちょっと心を打たれました。今回は当選できるかどうかわかりませんが、選挙が終わったら、会って話をしてみたいなあと思いました。

北海道の百名山、沖縄のリゾート、どちらも長い休みだからこそという場所で、充実していたようですね。北海道も沖縄も大好きです。僕自身は、この夏は飛騨の白川郷に行きたいなと思っていたのですが、結局忙しくて果たせず。秋にはなんとか、と思っています。

■今週のイシュー（2本）

知恵市場の有料会員限定で行うリアルミーティングや、MSNメッセンジャーでのビデオダイアローグ（対話）が実現したら、話したいこと、期待したいことは、どんな内容でしょうか？
今回の衆議院選挙の結果。あなたはどんな感想、意見を持ちましたか？　結果に対する評価、これからの展望、投票率など自由に書いてください。

回答は、paco@suizockanbunko.comあて直メールの場合、件名を「知恵市場イシュー221」としてください。
[com2]MLでもOKです。
いただいた回答は、次号に掲載する場合があります。名前も載せますが、掲載したハンドルネーム、または匿名希望を、＜メールの上の方に＞書いてください。文末や文中だと、見落としてしまう場合も考えられるので。
いただいたメールの中に、公開してほしくない情報がある（僕あて私信の内容）ときは、その旨、明記してください。

たくさんのメールを待ってます～。

※先週号（220）、今週号（221）は、サンプル版として、無料メルマガ、無料版サイトでも公開しています。次週からは通常の会員限定版に戻ります。

　

この記事に関する感想や意見、またこの記事に対する評価をおまちしています。こちらのページから、お気軽にお寄せください。コミトンはあなたの意見でもっとおもしろくなります。

渡辺パコ。ライター、デザイナー、コンサルタント、グロービス・マネジメント・スクール講師。
1960年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒。85年採用広告プロダクションでコピーライター、クリエイティブディレクターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。その後、独立して90年に有限会社水族館文庫を設立。94年から著作活動を開始する一方、Webサイトの設立・運営にアドバイザーとして積極的に参画、ビジネスインキュベーションを担当。雑誌などへの執筆活動も行う。著書に「渡辺パコの35歳からは好きなことでお金を稼ぐ」「環境経営の教科書」「人生に役立つ論理力トレーニング」（幻冬舎）「＜意思伝達編＞論理力を鍛えるトレーニングブック」「論理力を鍛えるトレーニングブック」「手にとるようにIT経営がわかる本」「図解＆キーワードで読み解く通信業界」（かんき出版）、「LANの本質」、「生命保険がわかる本」など。

☆ポートレイト撮影：川口愛

mail:paco@suizockanbunko.com