photo by paco .

彼岸も過ぎて、すっかり秋になってきました。といっても、今どき彼岸と言って、なんのことかぴんと来る人がどのぐらいいるんだろうか。すでにこの世にいない自分の先祖に敬意を表してお墓に参る日本流の仏教行事ですが、僕も彼岸だからといって、親の墓参もしない今日この頃。既存の宗教の果たす役割が縮小しているのは明かですね。

今週号は、前回出した「住まい」「健康」のお題と、今週から新たに、「ちょいとロジカルシンキング」という新しいタイプのお題を出したいと思います。

■住むならこんな家（イシュー07）

親父が建てた田舎の家に住んでいます。この4月から市営住宅の仕事を担当することになり、家のことは考えさせられます。初めケチったら、後でメンテナンスが多くて、結局損になるみたいです。でもそんなにみんながお金持ちのワケはないし、難しいですが。
今思ってるのは、やっぱり木造。地元の樹の間伐材も使って、原子力でなく風力で、雨水タンクも作って。今、予算が付くかはわかりませんが、市営住宅の新築計画もあるので、自分の家では出来なかった上のことを少しでもしたいなあと狙っています。無理かもですが。
（ikeo）

家は3回建ててみないとわからないとよく言いますが、本当にそう思います。「初めケチっても、あとでそんになる」というのは本当で、初期投資をケチれば、頻繁なメンテナンスが必要になるし、本当にケチってしまえば、家の骨格や強度が不足して、ほんとに持たない家になってしまうのですね。

最近、僕の友人が家を建てて、狭いながらも、超こだわりの家なんです。でも、よく見ると、使い勝手という点では、あらら、これは本当に使いにくい、人間疎外なんです。浴槽は猫足がついた、オシャレな陶器製で、真鍮のフレームが天井に回されていて、シャワーカーテンを引くようなタイプ。でも狭い浴室に入れたものだから、いわゆる洗い場はなくて、バスタブで洗って、最後にシャワーをして出てくるという、ホテルのような形です。これはもちろん、好きこのみなので、割り切ってしまえばいいわけですが、長く生活するとなると、けっこう使いにくいんじゃないかなーと思うわけです。水道代もガス代も、どうしてもかかってしまうでしょう。あこがれは憧れ、生活は生活。でも、もちろん、自分たちのライフスタイルを考えて、選びとったのなら、それでいいと思います（というか、楽しいと思う）。本当なら、もうちょっと現実を厳しく見た方がよかったんじゃないかなーと思わないわけでもない。このへんのシビアでぎりぎりのセレクトができるようになるには、少なくとも一度家を建ててみる、できれば2軒建てみて、3件目には思うようなものが建てられると言うことなのだと思います。

ちなみに僕らは、六兼屋の家が最初の家ですが、幸いなことに、それ以前に妻の実家を立て替えるプロジェクトに全面的に関わることができました。めんどうだから古い家に住み続けてもいいという両親を説得して、このタイミングで立て替えておいた方があとがハッピーでしょう、ということで、立て替えました。高度成長期の建売は、築30年を超えてかなりガタが来ていたので、防災面でも不安だったのです。これがざっと10年ほど前。このとき、設計から内装選びまで、両親と設計者の間に立って家造りをしたので、いろいろなことを学ぶことができました。その経験があったので、六兼屋はほぼ満足のいくものが建てられたのですよ。

さて、ikeoさんのコメントにある、地元の木で家を建てるという話は、先日、nikkeibp.jpのコラムでも書きました。環境にも生活面にも、よい方法です。

雨水利用も、特に災害に強い住宅という意味で、メリットがあります。各家庭で雨水タンクをもてば、集中豪雨でも下水に一気に水が流れ込むことを防げるし（緩衝バッファになる）、その結果、洪水のリスクも防げます。地震で水道が止まっても、雨水タンクの水をトイレに使えるので、衛生面でも安心です。

次に、Dr.Kenさん。

住居スタイルを大きくチェンジしたい。平日は都会の住み週末は郊外に住む。東京のリバーシティに住んでいるのですが平日は夜景を中心に都会の美しさ、便利さを堪能しています。今後は東京の郊外（具体的には高尾、五日市あたり)にセカンドハウスを構えて(貸借物件でも可)、山や川の遊びに浸りたいです。平日は隅田川、休日は多摩川。
（Dr.Ken）

平日は都会、週末は郊外や田舎、というのはいま、「できればやってみたい」あこがれの生活になりつつあります。僕のように、平日でも都合をつけて滞在できる人は、八ヶ岳でもいいわけですが、会社に勤めていると、それは難しい。であれば、もっと近くで自然型の占める場所にセカンドハウスをもつというのは、合理的な選択です。

東京近郊で言えば、高尾とか五日市、あきる野、もうちょっと奥にいって奥多摩や、飯能の奥の西川渓谷当たり、というのは、確かにちょうどいい感じ。目的にあった住宅が開発されれば、ニーズは大きいのではないでしょうか。ハウスメーカーやデベロッパーのみなさん、商品企画をしてみてはいかがでしょう。

あなたは住まいにどんな希望を持っていますか？　インテリアの細かなディテールとか、あこがれの家の形とか、そんな話も歓迎です、引き続き募集します。

■健康のために何かしてる？（イシュー08）

長年、神経症で薬を飲んできましたが、もう飲んでも効果はないのでここ数年やめました。リラクゼーションや整体、などを時々しています。下の子が自閉症で、今日も今から施設で（養護学校行ってるが今日は振り替え休みなので）みてもらいます。おばあちゃんも横での部屋でぜんそくでこの頃えらそうで。
まあでもこうやって人に打ち明けるのは健康になるかは別として、意義あることと思います。
（ikeo）

ますはスポーツです。季節にあわせたスポーツを楽しむと同時に毎朝、隅田川のテラスをランニングしながら橋めぐりをしています。そして、多くの楽しみを持つこと。仕事、ビジネススクール、音楽のみならず、スポーツ観戦、夜遊び、旅行、ドライブ、料理、映画。そして人生の夢。ストレスを溜めないことが肝要です。
（Dr.Ken）

お二人に共通していることは、無理をしない範囲で、自分のペースでやれることをやる。ストレスをためない、ということでしょうか。

ちょっとつらいことも、人に話せるようになると、自分は解放されてきますよね。

僕自身の健康について、ということだと、もともと運動系が好きではないので、身体をどう動かすかというのがひとつの課題。六兼屋にいるときは、なるべく庭に出て力仕事、汗をかく作業をやるようにしています。薪割り、土木作業（整地や木を植え替えたり）、たまに徹底的に愛車を洗車＆WAXというのも、けっこう、汗をかきます。

東京では、さらに運動不足になるので、それじゃあこれはどうだ、ということでステッパーというやつを買ってみました。要するに、足踏みマシンですね。これを1回15分、録り貯めたビデオを見ながら踏む。上半身はストレッチ。たった15分ですが、Tシャツが濡れるぐらい汗をかけます。本当はもうちょっと長くやるべきなんですが、ステッパーのダンパーが加熱するので、15分まで、と書いてあるし、だんだん負荷がなくなるので、そのあたりがちょうどよいようです。時間をおいて2セットやるといいのでしょうね。

以前は、仕事の時に、目黒駅にバスで行かずに自転車で（20分ぐらい）というのもやってみたのですが、暑い時期だと汗まみれになり、時間がたつと体臭がきつくなるので、やっぱりお客様に失礼だということで断念。寒い時期はつい、ひよりがちなので、日常的にはちょっと間抜けなステッパーも、やならいよりまし、と思っています。

■新企画「pacoのロジカルシンキング -Micro Lesson-」

ここ数回、わりとフリーなテーマでメールを募集してきたのですが、ちょっと低調なので、さらに試行錯誤しようと思います。題して、「pacoのロジカルシンキング -Micro Lesson-」。どうだ、この方がやる気になるぅ？

[09]あなたは最近、あこがれのクルマ（たとえばアルファロメオ147(^-^)）をやっと手に入れ、うれしくて仕方がありません。同じ物が好きな仲間がほしいと思い、「ファンクラブ」的な小さなグループを作れないかと思い立ちました。きっとすでに類似の"ファンクラブ"はあるでしょうが、今回は自分で立ち上げてみたいと思っています。とりあえず、インターネットでクラブを立ち上げて、たとえ10人でも、メンバーが集まったらうれしいなあと思っています。そこで質問。

(09-1) 今のあなたの「イシュー」」は何ですか？
(09-2) あなたが目標を達成するために、考えるべき「枠組み」（フレーム、サブイシューでも同じ意味）は何ですか？

※いただいた回答には、次号の誌上で、適否などについて解説と講評を行います（紙面の許す限り）。
※クルマに興味がない人は、ダンス、音楽、スポーツなど、好きなものを当てはめて考えてください。
※イシューや枠組みについては、僕の著書「論理力を鍛えるトレーニングブック」「意思伝達編論理力を鍛えるトレーニングブック」ほか、論理思考の本をご覧ください。以下のコミトンも参考になります。
https://www.nifty.com/service/chieichiba/top/weekly/163naniwokangaeru.html
https://www.nifty.com/service/chieichiba/top/weekly/193naniwokangaeru2.html

・回答は、paco@suizockanbunko.comあて直メールの場合、件名を「知恵市場イシュー224」としてください。
・[com2]MLでもOKです。
・いただいた回答は、次号に掲載する場合があります。名前も載せますが、掲載したいハンドルネーム、または匿名希望を、＜メールの上の方に＞書いてください。文末や文中だと、見落としてしまう場合も考えられるので。
・いただいたメールの中に、公開してほしくない情報がある（僕あて私信の内容）ときは、その旨、明記してください。

たくさんのメールを待ってます～。

　

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渡辺パコ。ライター、デザイナー、コンサルタント、グロービス・マネジメント・スクール講師。
1960年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒。85年採用広告プロダクションでコピーライター、クリエイティブディレクターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。その後、独立して90年に有限会社水族館文庫を設立。94年から著作活動を開始する一方、Webサイトの設立・運営にアドバイザーとして積極的に参画、ビジネスインキュベーションを担当。雑誌などへの執筆活動も行う。著書に「渡辺パコの35歳からは好きなことでお金を稼ぐ」「環境経営の教科書」「人生に役立つ論理力トレーニング」（幻冬舎）「＜意思伝達編＞論理力を鍛えるトレーニングブック」「論理力を鍛えるトレーニングブック」「手にとるようにIT経営がわかる本」「図解＆キーワードで読み解く通信業界」（かんき出版）、「LANの本質」、「生命保険がわかる本」など。

☆ポートレイト撮影：川口愛

mail:paco@suizockanbunko.com